国家外貨管理局がこのほど発表した国際収支表(バランスシート、速報値)によると、2021年上半期には中国への直接投資流入額は1796億ドル(1ドルは約110.7円、約19兆8700億円)に上り、うち第1四半期(1-3月)は976億ドル、第2四半期(4-6月)は820億ドルとなり、いずれも高水準を保った。
同局の王春英副局長兼報道官は、「上半期には、中国の国際収支が基本的にバランスを保つ構造となった。このうち経常収支の黒字は1222億ドルで、国内総生産(GDP)に対する比率は1.5%で、引き続き合理的な範囲に収まった。直接投資は純流入となった」と説明した。
物品貿易の黒字は前年同期に比べて増加した。21年上半期の国際収支ベースの物品貿易黒字は同35%増の2306億ドルだった。このうち輸出は同36%増の1兆4536億ドルで、中国国内の生産能力の向上、外部ニーズの回復などの要因の複合的な影響を示している。輸入は同37%増の1兆2229億ドルで、主に国内需要の回復と国際市場のコモディティ価格が高水準を維持したことによっている。
サービス貿易の赤字が前年同期に比べて縮小した。21年上半期のサービス貿易赤字は同43%減の438億ドルだった。旅行、知的財産権等使用料、輸送が主な赤字項目だった。このうち旅行の赤字が同28%減の444億ドルになり、これは主に国境を越えた旅行と留学が引き続き海外の新型コロナウイルスの感染拡大によって制約されているためだ。知財権等使用料の赤字は同21%増の156億ドルで、この項目は収入も支出も増加し、中国が知財権分野で国際協力を拡大し、互恵・ウィンウィンを実現した成果が反映されている。輸送の赤字は同61%減の75億ドルで、これは主に輸送サービスは収入の増加ペースが支出のそれを上回ったためだ。
直接投資の黒字は高水準が続いている。21年上半期の中国への直接投資流入額は1237億ドル、中国からの対外直接投資額は559億ドルで、中国企業の対外直接投資が安定して秩序よく行われたことを示している。
王氏は、「現在、中国は国内の大きな循環を主体としつつ、国内と国際的な2つの循環『双循環』が相互に促進し合う新たな発展構造の構築を加速させており、国内外の経済のバランスの取れた発展の基礎がますます堅固になり、中国の経常収支の安定的な運営と基本的バランスのための着実な基礎が突き固められ、国際収支の基本的バランス構造の継続にとってプラスに働いている」と述べた。
出典:「上半期の対中直接投資流入額は1796億ドル」(人民網日本語版)
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